コラム

AIとは?小学生向けにわかりやすく解説|利点と問題点、AI時代に必要な学び方

ChatGPTをはじめとした生成AIが急速に身近になり、「子供にも早いうちからAIを学ばせた方がいいの?」「AIを使えることが、将来役立つの?」と気になっている親御さんは多いのではないでしょうか。

一方で、AIに頼りすぎて自分で考えなくなるのではないか、間違った情報を信じてしまわないか、と不安を感じる方もいるはずです。

これからの子供に必要なのは、単にAIへ質問して答えをもらう能力だけではありません。

AIが何を得意としていて、どのような仕組みで判断し、どんなときに間違えるのかを知る。そのうえで「本当にそうかな?」と自分で考え、友達と意見を出し合いながら答えを探していく力が重要になります。

また、文部科学省も、子供が利用する際には、発達段階や情報活用能力を考慮しながら、リスクや懸念に対応する必要があるとしています。

この記事では、AIとは何なのかを小学生にも伝えられる言葉で解説し、AIの利点と問題点、これからの子供に必要なAI学習の考え方を紹介します。

AIとは?小学生向けにわかりやすく説明

AIとは、「Artificial Intelligence」の略で、日本語では「人工知能」と呼ばれます。

簡単に表すなら、たくさんのデータから特徴やパターンを見つけ、認識したり予測したりするコンピューター技術です。

例えば、子供に「犬と猫を見分けてみて」と言えば、多くの場合すぐに答えられるでしょう。

しかしコンピューターは、最初から犬と猫の違いを知っているわけではありません。

そこで、たくさんの犬や猫の画像などを使って学習させます。するとAIは、与えられたデータから特徴やパターンを学び、新しく見せた画像についても「犬の可能性が高い」「猫の可能性が高い」と判断できるようになります。

ここで子供に伝えたいのは、AIは何でも知っている魔法の頭脳ではないということです。

学習したデータや設定された仕組みをもとに答えを出しているため、得意なこともあれば、間違えることもあります。

AIはどうやって学ぶの?機械学習とは

従来のプログラムでは、人間が「もし〇〇なら△△する」というルールを細かく決めてコンピューターへ指示する方法が中心でした。

一方、機械学習では、多くのデータを与えることで、コンピューター側がそこにある特徴やパターンを学習していきます。

小学生向けには、

データを見る
↓
特徴を見つける
↓
新しいものを判断する

という流れで説明するとイメージしやすいでしょう。

文部科学省の小学校6年生向け実践事例でも、子供たちが手書きの数字を画像認識AIに学習させ、思った通りに認識されなかった場合には「文字の形が似すぎているのでは?」など原因を考えながらデータを修正する学習が行われています。

AIから答えを受け取るだけでなく、「なぜこの結果になったのだろう?」と仕組みを考えることもAI学習の大切な部分です。

生成AIだけじゃない!AIにはいろいろな種類がある

AIと聞くと、ChatGPTのような生成AIを思い浮かべる方が増えています。

しかし、生成AIだけがAIではありません。

私たちの身近な生活では、さまざまな目的でAI技術が利用されています。

身近な用途で分けると、例えば次のようなものがあります。

AIの例できること身近な利用例
生成AI文章・画像・音声などを作るChatGPT、画像生成
画像認識AI画像や映像の特徴を読み取る顔認証、物体認識
音声認識AI人の声を文字や情報として認識する音声入力、音声アシスタント
予測に使われるAI過去のデータから将来の傾向などを予測する需要予測、故障予測など

生成AIは、学習したデータの傾向をもとに新しい文章や画像などを作り出します。一方、画像認識AIは、カメラなどから得られた画像をもとに「何が写っているのか」を見分けることが得意です。

AI学習というと「生成AIを使わせること」と考えがちですが、AIがどのように周囲の情報を受け取り、認識し、判断しているのかを知る学び方もあります。

画像認識AIとは?顔認証・自動運転などの例で解説

画像認識AIとは、画像や映像の中から、人や物、文字、形などの特徴を読み取り、何が写っているかを判断する技術です。

例えば、

・スマートフォンなどの顔認証
・カメラ映像から人や物を見分けるシステム
・自動運転や運転支援における周囲の認識
・医療画像から医師の診断を支援するシステム

などに関連する技術として活用されています。

つまり画像認識AIは、子供向けにいえば「コンピューターがカメラを通して見て、何なのかを考える仕組み」と表現するとわかりやすいでしょう。

ただし、人間とまったく同じように見ているわけではありません。学習したデータや撮影条件などによって、AIが判断を間違える場合もあります。

だからこそ、実際にAIへ画像を見せて「なぜこれは正解したの?」「どうしてこれは間違えたの?」と試行錯誤する体験には、AIの特徴を知るきっかけがあります。

AIの利点とは?子供の生活や学びに役立つこと

AIには問題点もありますが、上手に利用すれば学習や生活を助けてくれる便利な道具になります。

重要なのは「AIを使うこと」だけを目的にしないことです。

AIに答えを出してもらうだけではなく、仕組みを知り、結果について考えるところまで含めることで、学び方は大きく変わります。

学習を助けてくれるAIのメリット

AIを利用した教育サービスでは、学習内容の提案や質問への回答、音声認識を利用した発音確認など、さまざまな形で学習をサポートできます。

子供が「ここがわからない」と感じたときに、新しいヒントを得る手段が増えることはメリットの一つです。

文部科学省も、生成AIについて、人間の能力を補助・拡張し、可能性を広げる有用な道具になり得るとしています。

しかし、大切なのはAIから出てきた答えをそのまま覚えることではありません。

「どうしてこの答えになったの?」
「別の方法はない?」
「本当に正しい?」

と考えることで、AIを学習のゴールではなく、考えるためのきっかけとして使えるようになります。

AIの仕組みを学ぶと、論理的に考える練習になる

AI学習には、AIに質問するだけでなく、AIがどのように判断しているのかを実際に確かめる学び方もあります。

例えば画像認識AIに同じ物を何度も見せても、角度や背景を変えると結果が変わる場合があります。

そこで、

「背景が違うからかな?」
「学習させた写真が少なかった?」
「似ている形が多かった?」

と原因を予想し、条件を変えてもう一度試します。

これは「結果を見る→原因を考える→方法を変える→もう一度確かめる」という試行錯誤です。

AIをブラックボックスのような「魔法」として使うのではなく、仕組みを考える対象に変えることが重要なのです。

関連記事として、プログラミングを通じて育てたい力については「プログラミング教育のメリット8選!子どもの成長につながる学びと始め方のポイント」もあわせてご覧ください。

AIの問題点とは?小学生向けの注意点を解説

便利なAIですが、「子供に使わせておけば自然に力が伸びる」というものではありません。

AI学習のメリット・デメリットを理解したうえで、使い方を考える必要があります。

AIに頼りすぎると、自分で考える機会が減ることがある

わからない問題が出てきた瞬間にAIへ質問し、答えだけをコピーする。

これを繰り返していれば、自分で仮説を立てたり、調べたり、失敗したりする機会は少なくなってしまいます。

例えば宿題でも、AIが作った文章をそのまま提出するだけでは、「なぜそう考えたのか」を自分の言葉で説明する経験がありません。

AIは答えを早く返してくれます。

だからこそ、

「まず自分で考える」
「AIの答えと自分の考えを比べる」
「最後は自分の言葉で説明する」

という使い方を意識することが大切です。

AIの答えがいつも正しいとは限らない

AIの回答は、必ず正しいとは限りません。

特に生成AIでは、もっともらしい文章なのに、事実とは異なる情報が含まれる場合があります。AIには誤った答えや事実とは異なる情報を出力するリスクがあり、生成AIが事実に基づかない文章を生成する現象は「ハルシネーション」と呼ばれます。

画像認識AIも同じです。

人間には簡単に見分けられるものでも、AIが誤認識することがあります。学習データや入力される画像の条件などによって結果が変わるためです。

そのため、子供には「AIが言ったから正解」ではなく、

AIも間違えることがある。だから自分でも確かめる

という姿勢を身につけさせることが大切です。

個人情報やプライバシーにも注意が必要

AIサービスを利用するときは、入力する情報にも注意が必要です。

名前や住所、学校名、顔写真など、個人を特定できる情報を安易に外部サービスへ入力しないよう、家庭でルールを決めておきましょう。

AIでは、収集されたデータの漏えいや不正利用など、プライバシーに関する問題も指摘されています。また、学習データに含まれる偏りがAIの結果へ反映されるリスクもあります。

特に小さな子供の場合は、サービスの利用条件を保護者が確認し、子供だけに判断を任せないことが重要です。

しかし、こうした問題があるからといって「AIを使わせない」という結論にする必要はありません。

むしろ、AIには便利な面と苦手な面の両方があることを知り、安全に使う方法を学ぶことが、これからのAIリテラシーにつながります。

AIを教材として利用する場合は、AIリテラシーがしっかりと考えられている教材を利用する必要があります。

AI時代に必要なのは、友達と協力して取り組む力

AIにはもう一つ、子供の学びを考えるうえで見落としたくない特徴があります。

それは、AIとのやり取りが「1対1」になりやすいことです。

わからないことを入力すると、AIがすぐに答えてくれる。文章を作ってほしいと頼めば、一人でも作業を進められる。

とても便利ですが、現実の社会では一人だけで答えを出せない問題がたくさんあります。

「私はこう思う」
「でも、こっちの方法の方がいいんじゃない?」
「じゃあ一度試してみよう」

このように、自分とは違う意見を聞き、説明し、役割を分担しながら答えを作る経験は、人と関わるからこそ生まれます。

AIが多くの作業を助けてくれる時代だからこそ、「全部一人でできること」だけを目指す必要はありません。

AIにできる部分はAIを活用しながら、人間同士で、

・自分の考えを伝える
・相手の意見を聞く
・役割を決める
・失敗した理由を一緒に考える
・意見の違いを調整する

という経験を積むことも大切です。

AI学習を選ぶ際も、「どんなAIツールを使えるようになるか」だけで判断するのではなく、子供自身が考え、手を動かし、他者と関わる時間があるかを確認してみましょう。

STEAM教育について詳しく知りたい方は「幼稚園、小学生向けのSTEAM教育とは?得られるメリットや具体例・取り組み方も解説」も参考にしてください。

クレファスで学ぶAI時代の力|画像認識AIと協働学習

ロボット科学教育のクレファスは、2003年の設立以来、レゴ教材を用いたロボット製作やプログラミングを通じた体験的な学びを提供してきました。

知識を覚えるだけではなく、実際に手を動かし、「なぜ?」「どうすれば?」と試行錯誤しながら、知的好奇心や探究心、論理的思考力、表現力を育てることを目指しています。

年長から小学2年生を対象としたKicksコースでも、「学ぶ→製作→プログラミング→改良」という流れの中で、子供自身が予想し、考え、実際に動かして確かめるハンズオン教育を行っています。

そしてAI時代の学びでクレファスが大切にするのも、「便利なAIを一人で操作できるようになること」だけではありません。

新しい学びでは、ChatGPTのような生成AIへ質問するのではなく、画像認識AIを題材にして、AIがどのように画像を認識し、判断するのかを実際に試しながら学んでいきます。

さらに特徴的なのが、あえて4人で1台のキットを使って取り組む協働学習です。

一人に一台ずつ用意して黙々と作業するのではなく、4人で一つの課題に取り組みます。

「どんな画像を使う?」
「どうして認識されなかった?」
「次は何を変えてみる?」
「誰がこの作業を担当する?」

子供たち自身が話し合い、役割を分け、試行錯誤していきます。

すぐ隣に答えを返してくれるAIがある時代だからこそ、あえて人と話し合わなければ進まない学びを作る。

そこには、AIの仕組みを理解するだけではなく、子供自身の思考力・創造力・コミュニケーション力・協働する力を一緒に伸ばしていきたいという考えがあります。

現在のKicksコースでも、モデル製作やプログラミング、改良を繰り返す問題解決型の学びに加え、自分の考えを伝えたり、友達のモデルの良い点や改良点を考えたりするコミュニケーションを重視しています。

AIはこれからさらに進化していくでしょう。

だからこそ、特定のAIサービスの操作方法だけを覚えるのではなく、新しい技術が登場しても、

「これはどんな仕組み?」
「何ができて、何が苦手?」
「どう使えばもっと良くなる?」

と自分で考えられる土台を作ることが大切です。

年長〜小学2年生のお子さまには、Kicksコースで手を動かしながら学ぶところから始められます。小学3年生以降はCrefusコースへ進み、ロボット製作やプログラミングを通じて、より高度な理数系の知識や問題解決にも挑戦できます。

「プログラミング教室に通わせても、本当に将来役立つの?」と迷っている方は、「子供のプログラミングスクールは『やめとけ』は本当?後悔しない選び方を徹底解説」もあわせてご覧ください。

まとめ|AI時代だからこそ、子供には「人間の力」を育てる学びを

AIとは、大量のデータから特徴やパターンを学び、認識や予測などを行う技術です。

ChatGPTのような生成AIだけではなく、画像認識AIや音声認識AIなど、すでにさまざまなAIが私たちの身近なところで活用されています。

AIは、子供の学びを助けてくれる便利な道具です。

一方で、AIが出した答えが間違っていたり、頼りすぎることで自分で考える機会が少なくなったり、個人情報の扱いに注意が必要だったりする問題点もあります。

だからこそ、これから必要なのは「AIを使える子供」にすることだけではありません。

AIにできることが増えていく時代だからこそ、自分で考え、実際に手を動かし、周りの人と意見を交わしながら答えをつくっていく。こうした人間だからこそ発揮できる力を育てる学びが、これまで以上に大切になっていきます。

実際、学校教育でも、情報を正しく活用する力や、自ら課題を見つけて解決する力、他者と協働して学ぶ力が重視されています。AIの活用が身近になるなかで、単に新しい技術の使い方を覚えるだけではなく、「どう使うのか」「その答えは本当に正しいのか」を自分で判断する力も必要になっています。

こうした学びを、知識として覚えるだけではなく、

実際の体験を通して身につけられるのがクレファスです。

クレファスでは、ロボット製作やプログラミングに加えて、AIリテラシーについて学べる教材も取り入れています。さらに、自分一人で答えを出すだけではなく、仲間と意見を交わしたり、役割を分担したりしながら、一緒に課題を解決していく学びを大切にしています。

つまり、AIを「使えるようになる」ことだけが目的ではありません。

自分で考える力、試行錯誤する力、自分の考えを伝える力、そして他者と協力して答えをつくる力。

これからの社会、さらに世界で活躍していくために必要となるこうした力を、子供のうちから実践の中で育てていけることが、クレファスの学びの大きな特長です。

まずは子供が「AIってどうやって見分けているんだろう?」「どうしたらこのロボットは思い通りに動くんだろう?」と疑問を持つところから始めてみてください。

その小さな「なぜ?」を、自分で試し、考え、誰かと話し合いながら答えを見つけていく経験につなげること。それこそが、AIをただ使うだけではない、これからの時代に必要な本当の学ぶ力を育てる第一歩になるでしょう。